絶対彼氏


電話帳に"王子"なんて登録しちゃってるし…
あの人のどこが良いのか未だにわかんない

「…宮さん…」

よし、明日呼び出されても行かないでおこう

「…成宮さん…」

きっとそれが一番だ

「成宮瑠璃さん!」

「…はい」

先生に当てられて居たのに全く気がつかなかった
数学のおばちゃん先生は腕を組みこっちを見ている
今にも"ざます"といいそうだ

「この問題を解きなさい」

「……分かりません」

「授業をしっかり聞いていなさい
じゃあ雪村さん」

私の代わりに当てられた雪村とは紗季のことだ
紗季はちらっとこっちを見てから答えを言った

それとともにチャイムが鳴り授業が終わった

「あの先生絶対瑠璃が分からないって知ってて当てたよね
なんなの、あのざますおばさん」

そう言って紗季はキレている

「まぁ授業聞いてなかった私も悪いけどね」

「瑠璃は悪くないよ!
あ、それより今日暇?」

「今日は特に何にもないから暇だよ?」

「ならクレープ食べに行かない?
美味しくて安いお店見つけたんだ」

「いいよ〜」
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