zinma Ⅰ
森へ走ってきたシューは、湖にたどり着いていた。
肩で息をしながら、少しずつ、呼吸を整える。
ある程度落ち着くと、一度大きく深呼吸してから、湖へ向き直る。
そして、心を静め、まわりの澄んだ空気に、集中する。
木の葉のささやき。
風のうなり。
水の歌。
小鳥の声。
どうか、どうか。
わたしたちの一族を古くから守ってくれた精霊さん。
わたしの願いを、聞いて。
そこでシューは、胸の前で、手を組む。
わたしの大切な人。
失いたくない人。
どうか、彼を、守って。
どうか彼に、絶えることのない恵と、幸せを。
お願い。
もしもそこにいるなら。
お願いします。
神様。
風が、そこに集まった。