【完】風に恋をする。
夕方になり、いつもの時間に病室のドアが開く。
「よっ」
「ちーっす!」
「風花、きたよ〜!」
「みんな…」
今日は一人じゃなくて、健、佳織、風馬の三人だ。
「具合はどう?」
「外には出れそうか?」
「ぁー…まだ、ちょっと…」
あたしがそう言えば、三人とも悲しそうな顔をする。
あたしは…
この表情が苦手だ。
あたしの心を…いっそう不安にさせる。
「大丈夫っ!」
だから…そんな顔しないで。