【完】風に恋をする。
少し、沈黙の時間が流れる──。
苦しい…っ。
お願い…そんな、顔しないで。
「風花…今度、さ…花火大会に、行かない?」
「花火…?」
「うん、っていっても、部活でやるだけなんだけどっ!」
「…うん、行けたら、ね」
「風花…」
「あと…一ヶ月もない。もう、生きる価値もな」
「ふざけんな!!!!」
あたしの言葉を遮るように、
健の怒鳴り声が病室に響いた。
「け、ん…?」
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