【完】風に恋をする。
「ここから見える、陸上部が好き。走っている姿を見るのが、好き」
「じゃあさ、来る?」
言い出したのは、風馬。
「ぇ…」
「体の具合よくなったら、来いよ。もっと近くで見られるし」
「そうだな。進藤さんの許可がでたら、来いよ!」
「いい、の…?」
「風花だったら大歓迎だって! みんなに紹介してーし!」
「…ありがと!」
この部屋を出る日。
そんな日が、来る事を願っている。
だけど、
それはあたしにとって、
夢でしかなかった──。