【完】風に恋をする。
「そうなんですか…? じゃあ、風花と同じですね!」
「あたしも好きなんです、花火!」
そう微笑む風花は、可愛くて俺は柄にもなく少し頬を赤くした。
「ん//」
そんなオレの反応をみて、ヒガはククッと笑っている。
あいかわらず…こいつは鋭い。
部活内の恋愛に一番気づくのが早いのはいっつもヒガだ。
「せーんぱい、あたし風馬のところいってきまぁーす!」
ニヤニヤしながらそう言って、スキップしながら行ってしまった。
あんにゃろ…。
チラッと風花をみれば、少し不安そうに風馬達のところをみてる。
風花の視線の先をみれば、風馬とヒガが楽しそうに喋ってるところ。
まぁ、普通に喋ってるだけだけど。
…結局、コイツは風馬しか眼中にないか。
俺はフッと笑って、花火に火をつけた。