【完】風に恋をする。
「今日ぐらい、練習早く終わったんだろ?」
「ん、まぁな。先輩達がグラウンド占領してっから、俺は家でストレッチでもしてたよ」
「ふぅん」
「お前は? やけに早くね?」
「追い出されたんだよ、練習から」
「はぁ?」
「え…?」
あ…やべ。
風花の目を丸くした表情をみて、しまったと思い片手で口を抑えた。
「なんで?? 風馬、なんか悪い事したの?」
「いや…俺の、我が侭」
「へ…?」
「前日ぐらい、風花の側にいたい」
言ってくれたのは立川さんだけど、
俺も…思っていたことだから。
顔を真っ赤にする風花。
腹を抱えて声を殺して笑っている啓。
こんな2人をみれば、
俺もさすがに…照れる。