【完】風に恋をする。
「欲張りめ」
「ぁあ? んなの今更だろ」
「そうだなぁ、お前、案外欲張りだよな。
女の理想だって高いし、牛乳三本飲むし」
「そういうお前はさ、案外…なんて言うんだ?」
「欲がない」
「それはないな。お前性欲あんだろ」
「それは男になら誰だってあんだろ」
「なぁに話してんだエロ男共ー!!!」
バッコーンという音と共に、俺の頭に痛みがはしった。
「いってぇ…」
それは、健も一緒だったらしい。
「あんた達、こんっな素敵な場所で汚らわしい話をしてんじゃない!!」
「佳織てめー…俺たちは選手だぞ?!」
「バカな話してないで、ストレッチしろバカ!!」
そう言い放って、佳織は部長のところに行った。
あいつも…テンション上がってんなー…。
佳織がテンション上がってる時、興奮してるときは、
あぁやって大声で怒鳴ったりするんだよな…。
こっちに被害がでて…迷惑な性格してるよなぁ。
でも…
それだけ陸上が好きなんだよな。