【完】風に恋をする。
「5000m、沢渡高校高梨くん、五十嵐くん。欄西高校海道くん…」
その後五人名前が呼ばれ、俺はタオルを佳織に渡した。
「あたし、風馬が終わったら」
「風花のとこ、行くんだろ? 行ってやって」
「…うん、そんで伝えるよ。”風馬が全国を手にしたよ”って」
「頼むよ」
俺は全国がかかる道へと、足を踏み入れた。
指定されたレーンに入る。
『ガンバレ…っ!!』
いつか、風花に言われた言葉。
今でも覚えてる。
顔を真っ赤にして、精一杯キモチを伝えようとしている姿…。
今でも、
目に焼き付いている。