【完】風に恋をする。
ー風馬sideー
急に風花が泣き出したと思ったら、
『嬉しくて』と言う。
この言葉で、
風花にとって、”友達”という存在がどれだけ大きいのか、理解したんだ。
俺たちにとって当たり前な事。
だけど、風花にとっては”特別”なことなんだ…。
練習の時だって、少し風花に目を移すと、周りをキョロキョロ見渡して、目を輝かせている。
たぶん、初めて外に出たから興奮しているんだろうけど…。
さっき佳織も『マネージャーを知らなくて、驚いたよ』って言っていた。
でも、別にからかってるわけでも、バカにしているわけでもない。
佳織はそういう奴だから。