【完】風に恋をする。
「今年はね、風馬と健は400mリレーに出るかもしれないの」
「ぇ…」
「5000じゃなくて、リレーかもしれない。もう少しで、学校で駅伝大会ってのも行われるし」
「えきでん…」
「うん、欄西高校、藤堂高校、他にもウチとあわせて十校が参加するの。
毎年恒例の行事で、去年は一年生はでれなかったから、今年は風馬と健が出るのは確実」
「…」
「ぁ、2人が走るよ」
佳織の言葉に、あたしはグラウンドに目を向ける。
日差しが暑い。
風が吹かないからか、汗が背中に流れる。
「いちについて、よーい」
スタートの合図が出る。
一斉に走り出す五人。
その中には、風馬も健もいる。