【完】風に恋をする。
ベンチに座っていると、健が話しかけてきた。
「なぁ、風花」
「ん?」
「風馬になんか言った?」
「ぇっ?!///」
「…なぁんて言ったの?」
「が、がんばれ、って…//」
「ぷっ。あいつも素直だね〜」
健はケラケラと笑っている。
「あいつ、今日新記録だすんじゃねーかなぁ」
「な、なんで…?」
「だって、
めっちゃ気合い入ってる」
あたしは、風馬の方に目を移す。
ぁ…ほんとだ…。
風馬は、真っ直ぐで、真剣な目をしている。
なにかに、ものすごく集中している顔。
がんばって…風馬。
そう、何度も…心の中で呟いた。