【完】風に恋をする。





『おっ、陸上部入りたい? 大歓迎!! 俺、部長の柊圭祐! よろしくな!』



『ごらぁ!! 喋ってる暇あんなら、ストレッチしろぉ!!』




思えば、部長があんな性格だから、陸上部には退部する人がいないんだろうな。


そう、沢渡高校の陸上部は柊先輩が部長になってから、一人も退部した人がいないんだ。



他の部活は、たいてい一人はやめて行くのに。

他の先生も感心していて、よく陸上部を見に来る。



おかげで、毎日差し入れに恵まれている。



俺はベンチに座った。


「風馬」

「…ん?」



「お疲れ様!//」



少し照れくさそうに言う風花が、


可愛く思えた。








< 71 / 260 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop