【完】風に恋をする。
『おっ、陸上部入りたい? 大歓迎!! 俺、部長の柊圭祐! よろしくな!』
『ごらぁ!! 喋ってる暇あんなら、ストレッチしろぉ!!』
思えば、部長があんな性格だから、陸上部には退部する人がいないんだろうな。
そう、沢渡高校の陸上部は柊先輩が部長になってから、一人も退部した人がいないんだ。
他の部活は、たいてい一人はやめて行くのに。
他の先生も感心していて、よく陸上部を見に来る。
おかげで、毎日差し入れに恵まれている。
俺はベンチに座った。
「風馬」
「…ん?」
「お疲れ様!//」
少し照れくさそうに言う風花が、
可愛く思えた。