【完】風に恋をする。
そんな会話をしていると、
ドアがそっと開いた。
「あれ、友達かい?」
「…進藤さん」
”進藤さん”
あたしの医者だ。
もう、ずっとお世話になっている。
「健、そろそろ行こうぜ」
「えー!! 俺、この子と話してたい!!」
「はぁっ?!」
「だって、めっちゃ可愛いじゃん♪」
「勝手にしてろ、バカ」
「…ぷっ」
2人の会話に、思わず笑みが零れた。
「あっはは! なんか、親子みたいな会話だねっ!」
「え、どっちが子供??」
「ん」
あたしは元気な”けん”と呼ばれている方を指した。