【完】風に恋をする。
「俺かよ!!」
「俺だってお前の親なんてゴメンだっつの!!」
「あっははは!!」
無言状態の進藤さんに目を向けると、目を丸くしていた。
「? 進藤さん?」
「…いや、なんでもない。体は大丈夫かい?」
「良かったら、外に出られますか」
「…昼も聞いたみたいだね」
「だって…」
「出られるさ」
「ぇ…ほんとうに…??」
「良かったらね。だけど、その判断をするのは、君じゃない。我々、医者の仕事だ。わかった?」
あたしは、コクンと頷いた。
すると、進藤さんは優しく笑う。
「顔色もいいし、大丈夫みたいだ。今日はこれで失礼するよ」
「ありがとうございます」
「ぁ、2人は…ちょっといいかな?」
進藤さんは陸上部2人を廊下に呼んだ。
…一気に、静かになったな。