【完】風に恋をする。
「風花チャン」
後から声をかけられ、振り向くと啓くんが立っていた。
「…海道…っ!!」
「久しぶり、日笠 佳織チャン」
「久しぶり。風馬に余計なことを言ってくれた、海道 啓クン」
「ふはっ! 相変わらず可愛いー!」
「…」
「そんな怖い顔しないでよ。俺は本気のあいつと競いたいんだ」
「言っとくけど、あんたは、風馬に勝てない」
「そちらさんの天才くんは、絶好調なんだ」
「おかげさまでね」
「へぇ…。秀才くんは? 去年みたいに、まだバカな夢でも見てんの?」
「健をバカにしないで…っ!!!」
「ふっ。あいつは、秀才だよ。だけど、
秀才は天才には勝てない」