私はダメ人間じゃない~ネットカフェ難民の叫び~
(仕事より、おばさん達が大変なのよね)


長年努めているパートのおばさんがズラリと揃う現場には、おばさん同士の争いが繰り広げられている。

おまけにパワフル極まりなく、男性の正社員でも簡単にやりこめられてしまう。

その争いに巻き込まれないように、注意しなければならない。


しかしそんな杞憂も、すぐに頭から消えた。



「シャワーをすぐ使いたいんだけど」

ネカフェに入るなりシャワーの予約をすると、いつもの女性店員は聞き返してきた。

「明日の朝じゃなくて、今日ですか?」

「そう、今晩」

今日は意外と暑かった上に、肉体労働だったせいで、けっこう汗をかいてしまった。さすがにこのまま眠るのは気持ちが悪い。

これから暑くなってくれば、夜に入るほうが増えるだろう。


そのシャワールームで、私は脱いだショーツを眺めて固まっていた。

(血が……)

慌てて手で身体をさぐると、ぬるりとした感触がある。


子宮から出血していた。


(そんな)


全身の血がひく。

自分の──いや、お腹の子供になにが起こったのか。


(まさか……流産)


気が遠くなるような絶望のなか、その二文字が頭に浮かんだ。
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