+Black Blood.
「女の子がそんな言葉使うな」

「ハッ・・・・・」



唇が離れたと途端、無花果の脚が零を蹴ろうとする。


「バッ!お前急所は無ェだろ!!あっぶねぇなー」


心底肝が冷えた様な顔をする零。

そして、安全の為と言う様に無花果に跨った。


「重い・・・・・・・・・」


眉を寄せ、今の出来事で軽蔑したとばかりに睨み付ける眼。
強く掴んだ手首は手痕がしっかり付いていた。



「無花果、聞けよ。本当はエイトも居る所で話したかったが・・・」



声色を元の低さに戻し、拘束したまま話す零。


「・・・・・・・・んだよ」


場の雰囲気で静かになる無花果。



「俺は、お前の存在を収容所に入る前から知ってた」

「?何で」


まだ警戒心を解かず黙って聞く。



「俺は、1-4地区の略奪戦争の生存者だからな。」


「、 」



“1-4地区”の言葉を零が口にした瞬間、無花果の眼が見開かれた。



「なっ・・・・ん・・・・」


「俺が、13の時だったな。いきなり爆音がして・・・お前等双子が地区に下りた」


じわ、と汗が滲み出る感覚を覚えた無花果。



「あっ、と言う間だった。人口は1000人位居た筈なのに、辺りは屍だらけで」


もとから都会では無かったその地は、武器を製造する工場が日本で一番多かったのだ。

勿論、強力な力は持っているにしても毒だ。
その当時不安定な政治をしていた日本は1-4地区を危険地帯と見なし、軍に依頼したのだ。


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