+Black Blood.
――――若くして軍のトップだった仁叉は冷静な判決をつけ、人間兵器の存在として教育されていた双子を―――たった二人で―――1-4地区に向かわせた。


そのとき、二人はまだ12歳位の事だった。



「あんなちっさい子供がさぁ。すんごい残酷で、虚無的に人殺っててさぁ。なあ?無花果」


「・・・・・・ ッ・・」


真っ直ぐ、そう見下ろす零の目先を逸らした。



「俺より小さいお前らが。でけぇ武器持って火の海だったよ・・・」



子供、大人、あらゆる人間を抹殺し、家を焼き払う。



「俺は一応逃げたんだけどさ。そん時から普通の人間とはちょっと違った子供だったから。安全は家の中だ、って言う大人達を放って置いて隣地区まで走ったんだよ」



「痛ッ・・・・!」


ぎしり、と零が掴んでいる手首が鳴る。


「ッ痛い痛い痛い!やめろッ・・・!!」


無表情で、抵抗できない無花果の手首を絞める。


(痛い・・・・・・・・・!)


ぐ、と言葉を飲み込む無花果。


(俺が、痛いって言う資格が無い・・・)



黙って、苦痛に顔を歪め受け入れる無花果。



「でもよぉ、やり方が賢すぎるんだよな、お前等。」


「ぅ、ああああッ!!」



―――一つの頑丈な家に立て篭もり避難している一部の住人。それに火をつけ焼き払った双子――――勿論、無花果とエイトの存在だった。


「俺はずっと見てたんだけどな。親も、友人も、・・・・呆気無く死んじまった」

「何て、言えば良いんだ・・・・っ俺は 」


「分かんねぇ」



ギシリとベッドが鳴いた。



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