+Black Blood.
そう言って、仁叉はだらりと伸ばしていた無花果の足を立てた。


「無知で、純情で、鈍感な・・・・・・・・」


(仁叉に、飲み込まれる・・・・・・・ペースが乱れる、)


ちゅ、と無花果にキスをした仁叉。



「収容所に入って少し変わったんじゃない?雰囲気が」

「触・・・・・・んな」

「いいよ、俺が“人に身体を触らせるな”って教えたもんね」

「気持ち、悪い・・」


(触れられる度、寒気がする・・・・・・・)



「ふぅん?」




「っひ」


(舌が、・・・・・・・・!)


絡まる舌。に、痙攣する無花果。



「可愛いよ」


口元に妖しい笑みを浮かべ、無花果に口付ける。



「やめろっ・・・・・・」

(スパイの男に・・・嗅がされたあの薬のせいか・・・?頭がぼうっとする・・・)




その体勢のまま、仁叉が無花果の背中をベッドに押し付けた。



「オイ・・・・・仁叉、何・・・・」


(動け ねぇ)


体が倒れたせいか、全身の重みを感じる。


「無花果にはまだ、教えなきゃいけない事もある」

「俺は・・・・・・人を殺す事を知った。他はもう要らない」


「それだけじゃあね。」



キッパリ言い放った無花果の頬を撫でる仁叉。





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