ピンクの落書き



次の日は、学校に行った。


琉那が…久しぶりに学校に登校してきた。



教室に入るなり、うちを見つけ抱きついた。



「おはよー!翼、久しぶりっ!!」



耳元で甲高い声が響く。


…どうして、そんなことを平気でうちに言えるんだろう?


人の彼氏と出掛けたくせに。


裏切ったくせに。



目も合わせず


「うん」


とだけ言った。


琉那は、浮気を経験して、あんなに泣いたのに…

今度は自分が浮気という行動をしてる。



どれだけうちが琉那を心配したと思ってるの…!?


でも、もう…。


琉那と話す気にさえならない。



朝のチャイムが鳴り自分の席に戻る。


2学期に入り、席替えをしたから後ろの席は颯ではない。


斜め3人前…人との隙間にちょうど颯の後ろ姿が見えてしまう。



今はドキドキもしない。


“彼氏”と“親友”

…もういつも通りに接せない。




< 117 / 125 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop