鈴の音が響く頃
シンッ…………
突然訪れた、静寂
まるで、時間が止まったような
だけど
バッ!!!
二人が勢いよく
私から飛び退く
「あっ…」
「たしかに…お前、鈴姫じゃないな…」
ギッと
赤毛の子が私をにらむ
さっきまでは
私と同い年くらいの印象だったのに
いきなり、ちがう…
怖い顔になった
「お前は誰だ。なぜ、ここにいる」
黒髪の人の、突き放すような
冷たい言葉
威圧感が、すごい
「あ、あの…私…!」
なんて、言ったらいいんだろう
目の前の二人の威圧に
声がでない
震える
こわい…
『私が説明しよう』
「「「!!!!」」」
突如、洞窟がパッと光ると
私の目の前に光る球体が現れた
ハンドボールの球くらいの大きさだろうか
そして、光が薄くなると
そこに小さな…
着物を着た妖精がいた
この気配
「「門番!!!!!」」
二人が同時に叫ぶ
門番、と呼ばれた妖精が私の方をくるっと振り向く
全長がちょうど手の大きさくらいの、
小さな可愛らしい妖精
年齢的には小学校低学年くらいの子に見える
天の川の織姫が着るような
ヒラヒラした着物に、
薄いピンクの羽衣をつけている
髪は頭のてっぺんでお団子にし、
きれいな髪飾りをつけた、妖精
『よう。さっきは失礼したな』
この声
「あなた、さっきの鳥居で
私に話しかけた…!」
にっこりと私に微笑むと、
またくるっと向きを変え、二人と向き合う