鈴の音が響く頃

『久しぶりだな。式神たちよ』


式神…?!



「…おい、門番。どういうことだ。なぜ、ここに鈴以外の人間がいるんだ」


赤毛の子が、チラッと私を見る
相変わらずすごい形相で



「鈴姫は…どこにいる?」


黒髪の人が不安そうな表情だ



『順を追って説明せねばならんな…』


妖精がチラリと私を見る


『ここでは難だ。お前の好きな場所にいこう』

「え?!」


『お前が一番落ち着く場所を思い浮かべろ』


「落ち着く場所…?!」


そんなこと、急に言われても…



ぱっと、辺りを見回す







もうそこは、
学園の寮…
私の部屋だった



「「「?!?!」」」



何が起きたの?!



「私の部屋…!!!!」


「な、なんだここ?!」


「見たこともないものばかりだ…!」


そこは、ごくごく普通の
私の、部屋

ちょっと大きなセミダブルの
ピンクを基調としたベッド


カーペットはエンジ色の丸型で、
その上にガラスの四角いテーブル



部屋の角にウォークインクローゼットと、
腰の高さのチェスト


白いカーテンの隙間から光が指し、
きれいな風景が見える



私の部屋に
あの祠から
一瞬でワープしてきた…
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