鈴の音が響く頃

「?!?!」

「お、おい馬鹿!!やめろ!!おろせー!!!」


「すごいすごい!いきなり小さく、可愛くなったー!
これが本当の姿なの?」


「ちっがーう!!!」


紅が腕をばたつかせて
ムキになって叫ぶ

これもまた可愛い



「門番!いったいどういうことだ?!」


紫さんが楓ちゃんに向かって叫ぶ


楓ちゃんと二人は、今じゃおんなじ背丈だ

でも、楓ちゃんの方が
小さいけどまだ人間らしいけど
二人は完全に人形マスコットだ

楓ちゃんが優勢なのも分かる



『ちょっとは考えてみたまえ。…まあ、分かっていて、言っているんだと思うがな』


楓ちゃんがフワッと私の肩に乗る
まるで、着物を着た女神様が、肩に降りてきたみたいだ


重さは全く感じない


私は二人を両手のひらにのせたまま
話を聞いていた


「……」

「……」


二人が沈黙する



『逃げるな。現実を受け止めろ』

「え…?」


なんのことだろう



『ふむ。キョウコに事情を説明するついでに、お前たちにも解らせてやろう』



ふたりの、とても
とても辛そうな表情が
印象的だった
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