鈴の音が響く頃

「俺らは反対したんだ!これ以上、鈴が負担すると
あいつの体が持たない。
俺ら式神の存在維持だけでも、かなりの霊力を消費する。それと別に、結界や
守護にも霊力を使って…」


紅が、悲しそうだ
本当に鈴姫が好きだったんだろう…

その横で、紫さんも辛そうだ…


みんな、本当に鈴姫を…




「…その、椿って人は
国を合併して、何がしたかったの?」



『ひとつしかない』


「もしかして、鈴姫の力…」

そうだと、楓ちゃんが頷く


『椿は、鈴姫が守っている宝玉
あの祠にあった石碑こそに力があると…
それさえ手に入れれば、自分にも力が扱えると
そう考えたわけだ』


愚かなことを…と
小さく呟くのが聞こえた



「だけど、それは叶わなかった」


紫さんが
私の手の上で
腕をくみ、考えながら話し出す


「椿は鈴姫の目を盗み、宝玉を発動させようとした。
だけど、力のない彼には
発動する訳もなく、彼は絶望した」


『そこで考えたのだ。
発動しない訳を。
そして、結論に至った…
鈴姫が、生きているから
ダメなのだと』

「そんな…」


なんて傲慢な考えの人なんだろう
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