鈴の音が響く頃

「…それだけ聞くと、すごくハッピーエンドな感じするけど…」



「ここまでは…ね。」


紫さんが
苦しそうな顔をする


『そう。むしろ、この流れこそ、椿の目論みだった』


「どういうこと?」


急な話の展開だ



『椿は、鈴姫が権力や、
国の繁栄に興味を示さないことを知っていた。
でも、それではダメなのだ。椿は、国を一つにまとめることが狙いだった。
そのためには、国民の支持が必要だった』


「あ…!」


「フン!やっと分かったか馬鹿女」


紅が悪態をつく


きっと、この話が嫌で、私に八つ当たりをしている…そんな感じだ



『これによって、椿の国民は鈴姫に絶大な支持を寄せる。そして願う。
"どうか、自分達の国の長になってくれないだろうか。" 国の繁栄に興味が無いのは鈴姫だけになり、
鈴姫の国民でさえも、繁栄を望むようになった…』



「鈴姫は、元から…優しすぎる性格なんだ。
だから、国民の気持ちに
応えたくなった。」



「じゃあ、国は合併したの?」



コクンと、楓ちゃんが頷く

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