鈴の音が響く頃

『…では、契約成立だな』

パンッッ!!!!!
「!?」



何かが弾けるような音と共に
二人の姿が大きく…


元の人間のサイズに戻った


「お、おっきくなった…」

ぱちくりしながら
二人を見上げる


「ああ〜!!!!!これだよコレ!!!姿が戻ったー!!!!」


「うん。やっぱりこの方がしっくりくるね」


「え?あれ?戻った…ってことは…あれ?」


『契約は完了した』

楓ちゃんが満足そうに微笑む



「え?いつしたの?」


『たった今。"互いを認め合うこと"これが契約だ』


「そ、そんな単純な?!」


もっと難しいことだと考えていた自分が恥ずかしい



『信頼関係が第一だからね。当然だよ。
さて、これでもうこの二人は、キョウコの意のままにできる。そしてやっと、村人達の魂も解放された』


「魂?」



『先ほどの祠の地にいた霊達だよ。呪いによってあの場を離れられずにいたが、今契約されたことで、
あの魂は行くべき場所に還っていったよ。
キョウコの友を見れば分かる』


杏の方へ走り寄る



…さっきまで苦しそうにしてたのに
今はとても気持ち良さそうに見える

まとわりついていた黒い魂も、今は全く見えない

< 34 / 91 >

この作品をシェア

pagetop