鈴の音が響く頃
「なっ…!!!」
「これに驚くと言うことは、やはりこの村の住人ではないのですね」
やはりそうだ
私の村の住人なら
このような結界や術は見慣れしている
「お前、何者だ?」
黒い、厳しげな瞳が私を捕らえる
「あっ…け、決して怪しい者ではありません!!」
「その見慣れない着物といい、この怪しい術といい、どこが怪しくないんだ」
地に座り込んでいた彼が立ち上がり、私を見下ろす
…かなり、背が高い
私より頭二つ分は差があるだろうか
まあ、私がそこまで背が高くないから
大きく見えてしまうだけかもしれないが
「…聞いているのか?」
「!!!!!!!」
ハッと我に帰る
「え、えと、なんでしょう!?」
「名はなんだと聞いた」
相変わらず冷たい目で睨まれる
目を見ると深く深く吸い込まれそうになるほど
黒い瞳
逆らうことができない
「…鈴、と申します」
ぽそりと名乗ると、
彼は目を見開き
とても驚いた顔をした
「お前が…!」
「え?」