鈴の音が響く頃
雨の音
信 ん じ ら れ な い。
その一言につきる。
『すまんなぁ、響古』
「にしても、よく紫の幻術が見破れたな」
「分かるわっ!!!!」
バッと小さな2枚の紙切れを差し出す
それは、人形をした
小さな、5センチくらいの紙
「間違いなく、俺の幻術紙だね」
可笑しそうに、クスクスと笑う
「全然笑えなーい!!!!」
もう私は怒り心頭だ
私に内緒でこんな術を使って
こんな場所で
私抜きで!密会なんてして!!!
「まずね、このゲンジュツシ?とやらの動き方が単調すぎ。っていうか、ずーっと落ち着きなく動きすぎ」
「ほう。…やはりまだ、完全に霊力が戻ってないからかな」
またもや可笑しそうに笑う
紫さん
「それだけじゃない!アンタ達が元の小さいサイズに戻ってないから、やけに…!!!」
ガクンと 膝が折れる
「おいっ!!」
「響古!」
二人がほぼ同時に駆け寄り、私を支える
「…っ、やけに、疲れるのよ…!!!!」
『やはり、まだ霊力が不十分なのだな』
フワリと 心配そうに私に近寄る
『無理もないか…度重なる契約をや、私たちに気を使っていたからな。完全に戻るには、まだ少しかかるだろう』
「…………」
言葉が出ない
なんかよく分からないけど
喋るのも
言葉を発するのも辛いくらい
体が重い
「ごめんね…響古。そんなに無理をさせていたなんて…気付けなくて、申し訳ない」
紫さんが、私の体を支えながら
申し訳なさそうに謝る