たまには甘くいきません?<短>


凄く、胸が痛いです。



後ろによろめいた私は、暫く動く事が出来ませんでした。

貴方は一瞬はっとした表情で私を見て、直ぐに罰が悪そうに目線をそらしてしまいました。


悲しい、寂しい、


どうして拒否するのですか。


貴方は私が好きではないのですか。


辛いのです。


読み取れない感情は、私の中で駄目な方へ駄目な方へと膨らんでいってしまいます。


報われない一方通行より、
中途半端な一方通行が、私には辛いのです。


「馬鹿…!」


でもここで家を飛び出したりはしません。
貴方はきっと追い掛けて来てくれないから。

私が終わらせばこの恋はきっと終わってしまいます。

それは絶対嫌です。


だって、私は貴方が大好きなのですから。



「勝手にさせていただきます」



椅子に座る貴方の膝に乗って、背もたれを両手で持って貴方を包みます。

押されたって退きません。



貴方が何もしてくれないなら、私が勝手にします。
嫌っていっても知りません。


だって触れたいんです。好きなんです。



拒否なんて、しないで。









「嫌なんて言わないで下さい…!」




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