初恋










そして大学の登校日。

履修登録をしに行く日。



俺は気付いてしまったんだ。





ハナちゃんの

淋しげな面影の理由を。










もうアイツは

ハナちゃんの一部だった。



ハナちゃんが
アイツを見つけた瞬間。


俺にはわかったんだ。



淋しげな面影が
一瞬にして

消えて。





でも次の瞬間、
より一層、悲しくて淋しい気配を醸し出したから。






叶わないって


あの時わかった。













でも



どんなに悪あがきをしたって


どんなに格好悪くたって









ハナちゃんの
淋しげな顔を消すことを、
俺がしてやりたかったよ。



情けなくて
女々しい俺だけど







きっと
きっとね







ハナちゃんのこと

誰より深く愛してると思うんだ。







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