AKANE
「陛下、今更こんなことを言ったら怒られるかもしれませんが、僕はやっぱりあのクリストフという男が信用できません。それに、アザエル閣下も言っていたように、城をあまり長く空けるのは僕も良くないと思うんです・・・」
言いにくそうに俯いたままぼそぼそと話すルイの話を全く気にしていない様子で、朱音は明るい口調で言った。
「ルイ、このスープ飲んでみなよ。なかなかいけるよ」
すすっていたスープの皿をルイに差し出すと、にこりと微笑んだ。
「いえ、僕は結構です・・・。それより、そろそろ城へ戻りませんか・・・?」
朱音は相変わらず気に留めた様子もないまま、パンを頬張った。
「なんでかなあ、城の料理って美味しい筈なんだけど、こうしてお城の外で食べる質素な食べ物の方が美味しく感じるんだよね、不思議だよね」
朱音はもぐもぐと口を動かしながら、ルイにパンも差し出した。
ふるふると首を横に振られて残念そうな顔をしながらも、朱音はぱくぱくと残りのパンも平らげてしまう。
「それってさ、どうしてか分かる?」
じっとルイの顔を見つめた後、朱音は少し悲しげに目を伏せた。
ルイははっとして顔を上げた。
「あのお城にはわたしの居場所がないからだよ。ここにいるわたしはクロウであって、クロウじゃない。そんな誰でもない国王が、力の無い人間がお城に戻ったところで、何の役に立つと思う? きっとただの飾りでしかないんだよ」
ルイは何も理解できていなかった自分に気付き、恥じ入った。目の前の年若き国王は、未だ大きな苦しみを抱えていた。それも、その苦しみを決して外へと出さないまま。
「陛下・・・、無神経なことを言ってしまいました。お許しください」
ルイは椅子から立ち上がると、テーブルに頭がつく程に腰を折った。
言いにくそうに俯いたままぼそぼそと話すルイの話を全く気にしていない様子で、朱音は明るい口調で言った。
「ルイ、このスープ飲んでみなよ。なかなかいけるよ」
すすっていたスープの皿をルイに差し出すと、にこりと微笑んだ。
「いえ、僕は結構です・・・。それより、そろそろ城へ戻りませんか・・・?」
朱音は相変わらず気に留めた様子もないまま、パンを頬張った。
「なんでかなあ、城の料理って美味しい筈なんだけど、こうしてお城の外で食べる質素な食べ物の方が美味しく感じるんだよね、不思議だよね」
朱音はもぐもぐと口を動かしながら、ルイにパンも差し出した。
ふるふると首を横に振られて残念そうな顔をしながらも、朱音はぱくぱくと残りのパンも平らげてしまう。
「それってさ、どうしてか分かる?」
じっとルイの顔を見つめた後、朱音は少し悲しげに目を伏せた。
ルイははっとして顔を上げた。
「あのお城にはわたしの居場所がないからだよ。ここにいるわたしはクロウであって、クロウじゃない。そんな誰でもない国王が、力の無い人間がお城に戻ったところで、何の役に立つと思う? きっとただの飾りでしかないんだよ」
ルイは何も理解できていなかった自分に気付き、恥じ入った。目の前の年若き国王は、未だ大きな苦しみを抱えていた。それも、その苦しみを決して外へと出さないまま。
「陛下・・・、無神経なことを言ってしまいました。お許しください」
ルイは椅子から立ち上がると、テーブルに頭がつく程に腰を折った。