AKANE
はあと溜息をつく少年王の姿に、フェルデンは苦笑を漏らした。アザエルが恐ろしい人物だということは、フェルデン自身痛い程よく知っている。
「なるほど、それでは仕方無いな。ユリウスに言って、君を城まで送らせるよ」
こくりと頷いたクロウに、フェルデンは全く疑念を抱くことは無かった。これ以上、大切な客人を自国の都合で連れ回す訳にもいかないと考えたこともあったせいもある。
二人は塔の下で別れ、クロウはユリウスを含む数人の騎士と護衛、そしてライシェルを引き連れて一足先に白亜城へと引き返して行った。
いつもと変わらぬクロウの表情。
息を飲む程の美しい容貌の少年王に時折視線をやり、ユリウスはその度に気まずくなってさり気無く視線を逸らすといったことを馬の上で何度も繰り返した。
(けれど、まさかこの魔王の息子とフェルデン陛下が手を結ぶ日が本当にくるとはなあ・・・。ってか、この少年王には個人的な疑問が山程残ってるんだけど)
ユリウスは、フェルデンと共にゴーディアに遣いとして訪れたときの事や、ボウレドでのあの晩のことを思い起こしていた。
朱音を失ったことで我を失ったフェルデンがこの少年王の首に手をかけたこと。それにも関わらず、彼はその事実を側近アザエルにさえ明かすことなく黙っていたこと。そして、自分を殺そうとしたそのフェルデンのこをとひどく心配し、魔城を抜け出しフェルデンを追ってきていたこと・・・。
「なるほど、それでは仕方無いな。ユリウスに言って、君を城まで送らせるよ」
こくりと頷いたクロウに、フェルデンは全く疑念を抱くことは無かった。これ以上、大切な客人を自国の都合で連れ回す訳にもいかないと考えたこともあったせいもある。
二人は塔の下で別れ、クロウはユリウスを含む数人の騎士と護衛、そしてライシェルを引き連れて一足先に白亜城へと引き返して行った。
いつもと変わらぬクロウの表情。
息を飲む程の美しい容貌の少年王に時折視線をやり、ユリウスはその度に気まずくなってさり気無く視線を逸らすといったことを馬の上で何度も繰り返した。
(けれど、まさかこの魔王の息子とフェルデン陛下が手を結ぶ日が本当にくるとはなあ・・・。ってか、この少年王には個人的な疑問が山程残ってるんだけど)
ユリウスは、フェルデンと共にゴーディアに遣いとして訪れたときの事や、ボウレドでのあの晩のことを思い起こしていた。
朱音を失ったことで我を失ったフェルデンがこの少年王の首に手をかけたこと。それにも関わらず、彼はその事実を側近アザエルにさえ明かすことなく黙っていたこと。そして、自分を殺そうとしたそのフェルデンのこをとひどく心配し、魔城を抜け出しフェルデンを追ってきていたこと・・・。