〇●ポーカーフェイス●〇
なぜ私は今末永に手を握られ、歩いているのか
なぜ学校の駅でもない改札を出ているのか
何だかよくわからないけどとりあえず今回の獲物を逃がしたことは間違えない
私はふてくされながら黙ってついて行った
そしてしばらく歩き、少し駅から歩いたところに末永は立ち止まり、くるっと私のほうを向いた
そして握っている違う方の手を私の頭にポンと置き真剣なまなざしで私の目を覗き込む
「大丈夫だったか?ごめんな、もう少し早く助けられたらよかったんだけど、満員で近くまで行くのが大変でさ。怖かったよな?」
優しく微笑む
手と頭からは末永の体温が伝わってくる
じわっと何かに潰されそうな感覚
今まで何回も同じことを繰り返してきた
でもこんな風に助けてくれた人なんていなかったし、いるわけがないと思っていた
ふわふわと私の感情は何処かに行ってしまいそうな感覚
私は目を瞑って気を持ち直し、目を開け末永を睨みつけた
「ちょ、離してくれる?」
そう言って頭を振り、末永の手を払った
「あ、ごめん」
そういった末永の顔は少し赤かった