〇●ポーカーフェイス●〇
「ほ~…まあ、私も別にあの子がセックスしたくないと言ったら別にかまわない。お金だって無償で貸してやってもいい。金なら腐るほどあるからね。」
「じゃあ、なんで」
「あの子が許さないんだよ。お金だけもらう。そんなこと彼女が許さない。プライドみたいなものかもな。」
「あいつは、、、何でこんなにもお金への執着心が強いんですか。ここまでしてお金をかき集める意味は…」
そんな俺の言葉に男は相変わらず微笑んでいる
「君は…あれだな…とても周りに恵まれて生きてきたのだろう。両親に愛情をいっぱいもらったんだろうな」
「確かに、友達には恵まれてます。でも、父親は俺たちを捨てて出て行きました。そんな中、母親は一人で必死に働き、育ててくれました。だから、お金だってない。部活も修学旅行も諦めました。それでも…俺は」こんなことしてまでお金に執着する気持ちを理解できない」
そう強く言うと男は声を出して笑う
「ちょっと真面目にき」
「まあまあ、落ち着いて」
そう俺をなだめ、たばこの火を消した
「君は急に父親がいなくなり、悲しかった。でも周りの友達がいた。仲間が元気をくれた。
そして、母親がたくさんの愛情をくれた。だから君が今ここにいる」
俺は大きく頷いた
「じゃあ、もし、、、尊敬していた父親はいなくなり、信じていた仲間に裏切られ、親友は自殺し、、、、大好きな母親本人に、体を売って来い。と言われたら、、、君はどうするのかな??」
部屋に沈黙がながれた
想像してもしきれない
想像しただけでぞっとし、鳥肌が立つ
そして胸の奥が押しつぶされそうになった
母親本人に
体を売ってこい
そんなことがあるのか