マザーレスチルドレン
「ああ、心配しなくても大丈夫だよ、今回もちゃんと判らないように消すから、硫酸の樽でジューって溶かしちゃうんだ、最初はすっげえ臭えけど一週間できれいに消えちゃうよ、硫酸っていったけど本当は塩酸も混ぜるんだ、そうしないと樽まで溶けちゃうからね、そこらへんのコツっていうか、さじ加減が難しいけどよぉ。まあ俺は熟れてっから、ばっちりよ。言うなら門外不出の特殊技術だな。まかせといてくれよ、牧師さん!」


男は胸を張って自慢げにいった。


「……。ああ、わかった、よろしく頼む」


カリヤはたじろぎながら返答した。


「死亡診断書は郵送するからその後で代金は振り込んでくれればいいよ、お得意様だから今回は一割引きでいいって社長が言ってた、よかったな、牧師さん!」


「悪いな……」


「いや、悪くないよ、こっちも商売だ。このガキが生きてたって世の中の害になるだけだし、牧師さんはいい事したって事よ」


そういうと男は遺体袋を肩に担ぎ部屋を出て行った。
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