マザーレスチルドレン

仁勇会のヨシオカ

「おう、オレだ。例の食堂のガキさらってこい」


「馬鹿野郎! 今すぐに行け」


「それと、今から一時間だけ黒服は動かねえ。


きっちり一時間だ。時間内なら少々派手にやっても構わん」


仁勇会若頭のヨシオカは携帯電話で今夜の標的を支持している。


「しかし、あの先生もひでえなあ、自分の娘の同級生だぜ、


やることがえげつない、極道以上だ」


ヨシオカは携帯電話を切ると後部座席にふんぞり返って、


運転しているヤオ・ミンの背中向かっていう。


ヤオ・ミンは真っ直ぐ前を向き運転に集中している。


「全くひでえ時代になっちまったな……、


俺達ヤクザもんは殺し合いはやるが子供を殺す事はなかったぜ」


ヨシオカはヤオ・ミンの後頭部を睨みつけながらしゃべり続ける。
< 43 / 178 >

この作品をシェア

pagetop