マザーレスチルドレン
「そうか、そうだった、お前は変態野郎だったな。


それでこの国に来た。


変態野郎にとってはこの国は天国だな」


ヨシオカが声を出して笑う。


ヤオ・ミンの肩が揺れる。


「この国の奴らはみんな遊んで暮らしてる。


そりゃ働かなくても飯がくえりゃ、働かねえよな。


でもなあ、昔は働きもんだったんだぜ、この国の人間は」


「働きすぎで死ぬくらいにな。


結婚してガキつくってまた働いて、


ちっぽけな家買ってそれで幸せだって、笑うなあ」


「今はどいつもこいつも死んだような目してるだろ、


働かなくても飯は食える。


おまんまの心配はない。


でもそれだけ、それ以上はない。


そして五十前にくたばるのさ。笑うよな。


そんなん受け入れて生きてるって。


馬鹿野郎ばかりだ、この国は」


「この国で、旨いもん腹いっぱい食って、


いい女とヤリまくって長生きしたいなら、


友愛党に入るかヤクザもんになるしかないんだぜ」
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