マザーレスチルドレン
「究極の二択だ、ウケるよな。どっちがいいか。


そりゃあ、友愛党員がいいに決まってるよな。普通。


でも簡単にはなれねえ、世襲でなるやつは別だけどな。


親が党員っていうのがベスト。


途中からなろうとするとなら、よっぽど頭が良くて学者になるか、


勉強して医者か弁護士になるか。


努力して政府の機関に就職するか。


天才的スポーツ選手になるか。なれないって。


そんなの普通よぉ。だろ?」


ヨシオカはスーツの内ポケットから煙草を一本抜いて口にくわえ、


いやらしく輝く金無垢のライターで火を着けた。


「だから、今のガキはヤクザになりたがる。

今や人気職業のナンバーワンだ。


女たちはヤクザの愛人になりたがる。


もてるぜぇ、ヤクザは。いい服着て、いい車乗って、


いいもん食って、いい酒のんで最高の女といいマンションに住む」

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