マザーレスチルドレン
「そうよ、だから絶対食べちゃダメ、


あなた達は安全クッキーと健康ミルクでいいでしょ」


「だって、まずいんだもん。超まずい」


───だから、ユイちゃんちのお誕生会は行きたくなかったんだ。


レイコは、多分こうなるだろうと思っていた。


「でも、お店のお客さんは食べてるよ、パパのお料理」


「あれはねえ、大人にしか出してないからいいのよ。


大人はもう体に毒が入っちゃってるからいいの」


「ずるいよー」


「それにカジさんとかヤマサキ先生が食べるだけだし、


いいのよ。あの人達ならどうなっても」


レイコは、ちょっと言いすぎてしまった事に


気づいたがもう遅かった。


「じゃあ、さー。ハルちゃんもいいの?」


「うーん、そうだねぇ、ハルちゃんには食べてほしくないなぁ、ママも」


「ふーん、でもハルちゃんも食べてるよ、それもおいしそうにさ」


「うーん……ハルちゃんも、もう子供じゃないから、いいのよ」
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