君想い唄。-キミオモイウタ-
あぁ、そういえば今日だったっけ。
隼人と行くって言っていたお祭り。
「行きませんよ。友達はみんな、彼氏と行くみたいですし…」
笑って言う。
上手く笑えたかは分からないけど。
拓斗さんは少しの間黙り込んで、それからふわりと笑った。
「じゃあ、俺と行かない?お祭り」
「……へ?」
思わず情けない声を出す。
え、いやでも、拓斗さんだって行く人が………
「いやー俺、何でか彼女出来ないからさ、一緒に行く人いなくて困ってたんだよね」
タイミングを読んだかのような答え。