武闘派
幼馴染と私
やっちゃんこと橋本保志は、私の幼馴染み。

中学に入ったあたりから背が伸び始め、バスケを始めて体付きが逞しくなって、顔も大人っぽくなって、女の子の視線を集める人になった。

やっちゃんは女の子の友達が私しかいなくて、いつも私とばかり話すから、私はやっちゃんファンの鋭い視線の中で息のつまりそうな日々を送るはめになった。

高校生になった今でもそれは変わらなくて、入学3カ月にしてすでに目をつけられてしまっている。

下駄箱に何か入れられるのは日常茶飯事で、今日みたいに呼び出されることもしばしば。

呼び出しといっても、泣きながらやっちゃんが好きな事を訴えられるような可愛いものから、今日みたいに過激なものまで。

一度中2の時に、20人近くのやっちゃんファンに囲まれた時があって、何人かにケガを負わしてしまった。

小さい時から、2人のお兄ちゃんとやっちゃん兄弟の4人の男の子に囲まれて、柔道や空手なんかを習っていたから、同世代の女の子相手なら楽勝。

心も繊細な方じゃないから、大概の暴言なら少しだけ目を瞑っていられる。

だけどやっぱり、エネルギー消耗するんだよね。
< 11 / 99 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop