教えて!恋愛の女神様
 エリカ、翔太、父を乗せた救急車は、第一搬送先である病院へ向かって走り出した。いまだエリカは意識が戻らず眠り続けていた。車内は緊張感に包まれた。
 翔太の胸には、ある思いが芽生えていた。
 同時刻。私は一講目の講義を終え二講目の講義を受けるため、灯達と一緒に同じ建物の二階にある教室へ向かって移動していた。
「そっかー、知佳ちゃん昨日の夜は大変だったんだね」
「うん。裕矢さんのおかげで何とか乗り切ったけど、今思い出しただけでも怖くて身震いしそう」
「そうだね。考えたくない」
「でも、彼氏の家に泊まれるのはうらやましいな。一つ屋根の下にいるんだもん、会いたくなったら、いつでも会いに行けるよね」
「やだ、やす子ちゃん。裕矢さんとはまだ付き合っていないよ。ただデートしただけ」
「えーっ、そうなの?昨日ラブラブだったじゃない!」
「そんな事ないよ。普通に友達のように接していたじゃない」
「あたしにはラブラブに見えたなぁー。二人とも見つめ合うたび『この人は運命の人よ!』みたいに、熱い視線を交わしていたわ」
「だから違うって!」
「そう、違うわよやす子ちゃん」
「何よ、灯ちゃんまで。あたしの目は節穴だって言うの?」
「違う違う!私が言いたいのは、二人が同じ温度でお互いを好きだと思っているんじゃなくて、裕矢さんの方が知佳ちゃんに夢中って事」
「裕矢さんが知佳ちゃんに夢中?じゃあ、知佳ちゃんは?」
「悪くないなぁー、くらいかな?」
ドキッ!私は言い当てられてビックリした。
(灯ちゃん、するどーい!)
「ドッヒャーッ!知佳ちゃん、どんだけモテ子?女優もびっくりじゃない?」
「なんで女優?それを言うならインド人もびっくりでしょ」
「モテ子を表すのに女優がベストだと思ったの!インド人くらい知っているわよ」
やす子が不思議なギャグを言いだしたので、私達は大笑いした。
「ちょっとモテたからって、いい気になってんじゃないわよ」
すると、通りすがりに誰かが冷たく言い放った。あたりを見れば、アミ、ユカ、マアコがいて、目が合うと『フンッ』と言いそっぽを向いた。ちょっと胸が痛んだが、『気にしない』と思い教室へ向かった。





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