教えて!恋愛の女神様
彼が着た白いワイシャツは、刺された部分の直径十五センチほどが真っ赤に染まっていた。鉄平はハアハアと荒い息をし、食い入るように刺された場所を見ていた。
すると突然、ケイコは鉄平を抱きしめた。
「ねえ、私を愛しているって言って。私を愛しているって言って!鉄平がいないと生きていけないの。あなたが私のすべてなの!ねえ、愛しているって言って!」
ケイコが言いだしたとたん、鉄平は意識を失った。ナイフの刺さりどころが悪かったらしい。早く処置をしないと出血多量で死んでしまうかもしれない。しかしケイコは『私を愛していると言って!』と言うばかりで、鉄平の異変に気付かない。自分が幸せになることで精一杯だ。
「知佳ちゃん!知佳ちゃん!」
ふいに誰かが私の肩をつかみゆすった。見れば裕矢だった。
「裕矢さん、大丈夫?」
「ああ。痛みでうずくまっていただけだよ。それより、救急車を呼ぼう。このままじゃ鉄平が危ない」
「は、はい!」
裕矢はズボンのポケットから携帯電話を取り出すと、救急車を呼んだ。さきほどまでひどい目に遭わされていたのに、全てを忘れて。
ふと気づけば、入り口に人だかりができていた。灯ややす子、ミサオはもちろん、学生課の職員もいて、私達と目が合うと中へ入って来た。灯ややす子、ミサオは私の元に、学生課の職員は鉄平のそばへ行くと、三人がかりでケイコを放した。野次馬として見ていた男子学生が入って来ると、鉄平を床に横たえ、意識の確認をしたり警察へ電話をかけてくれた。
十分後救急車が到着し、鉄平を乗せどこかの病院へ向かって行った。ケイコは警察官二人に両脇を抱えられ、警察署へ連れていかれた。彼女はずっと『鉄平に会いたい、鉄平に会いたい!彼は私がいないと生きていけないの!』と叫んでいた。
(なんかかわいそう……鉄平は色んな女を味見したい男だから、一人の女の子と長く親密な関係を築けない。でもあの子は全身全霊をかけて愛しているんだろうな。それとも鉄平が悪さばかりしているから、あの子が代表で鉄平を懲らしめに来たのかな?)
約一か月前自分も同じように苦しんでいただけに、複雑な思いだった。こうしてハタから見れば、自分がいかに執着し見苦しかったかわかった。そして、愛を得られず切なかったことも分かった。
すると突然、ケイコは鉄平を抱きしめた。
「ねえ、私を愛しているって言って。私を愛しているって言って!鉄平がいないと生きていけないの。あなたが私のすべてなの!ねえ、愛しているって言って!」
ケイコが言いだしたとたん、鉄平は意識を失った。ナイフの刺さりどころが悪かったらしい。早く処置をしないと出血多量で死んでしまうかもしれない。しかしケイコは『私を愛していると言って!』と言うばかりで、鉄平の異変に気付かない。自分が幸せになることで精一杯だ。
「知佳ちゃん!知佳ちゃん!」
ふいに誰かが私の肩をつかみゆすった。見れば裕矢だった。
「裕矢さん、大丈夫?」
「ああ。痛みでうずくまっていただけだよ。それより、救急車を呼ぼう。このままじゃ鉄平が危ない」
「は、はい!」
裕矢はズボンのポケットから携帯電話を取り出すと、救急車を呼んだ。さきほどまでひどい目に遭わされていたのに、全てを忘れて。
ふと気づけば、入り口に人だかりができていた。灯ややす子、ミサオはもちろん、学生課の職員もいて、私達と目が合うと中へ入って来た。灯ややす子、ミサオは私の元に、学生課の職員は鉄平のそばへ行くと、三人がかりでケイコを放した。野次馬として見ていた男子学生が入って来ると、鉄平を床に横たえ、意識の確認をしたり警察へ電話をかけてくれた。
十分後救急車が到着し、鉄平を乗せどこかの病院へ向かって行った。ケイコは警察官二人に両脇を抱えられ、警察署へ連れていかれた。彼女はずっと『鉄平に会いたい、鉄平に会いたい!彼は私がいないと生きていけないの!』と叫んでいた。
(なんかかわいそう……鉄平は色んな女を味見したい男だから、一人の女の子と長く親密な関係を築けない。でもあの子は全身全霊をかけて愛しているんだろうな。それとも鉄平が悪さばかりしているから、あの子が代表で鉄平を懲らしめに来たのかな?)
約一か月前自分も同じように苦しんでいただけに、複雑な思いだった。こうしてハタから見れば、自分がいかに執着し見苦しかったかわかった。そして、愛を得られず切なかったことも分かった。