井上真緒編
真緒「もともと、なんでここへきたのっていってるの」
チアキ「だから、あなたの不幸を見て見ぬ振りはできなかったの」
真緒「そんなの嘘だよ。何で、あんたが私に取り憑いたのかを聞いてるんだよ」
チアキ「そんな口を利いているうちは私は何も答えないわよ。取り憑いてるんじゃなくて、見守っているの」
真緒「だめだ、あんたといくら話しても、でまかせしか言わないんだから。ねえ、貧乏神ってみんなそうなの」
チアキ「あなた、その貧乏神っていうのだけはやめなさい。本当に今度いったら、酷い目にあわせるわよ」
真緒「ほんと、ただの貧乏神だ」

真緒は、こんなの本当に相手にしてられないと思った。ただ、こんなことを相談できる相手なんかいなかった。それはそうだ。こんなことを相談したら勘違いされるのが落ちだ。ただ、それでも相談するんだったら、やはりエリしかいないと思った。それで、エリに電話をして、相談があるといったら、明日会おうよいつものところでといってくれたので、持つべきものは親友だなと改めて真緒は思った。次の朝もチアキは、いたが、夜行性だからなのか、なにも話しかけては来なかった。真緒は、食事をして、テレビを消して、会社へ行った。会社では、仲間と田中と京王線の物件の話をした。

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