戦場のガールズライフ~派遣社員奮闘編~
二人、ベンチに腰を下ろす。


「仕事は何も決まってませんけど、まあ、焦らなくてもいいかなぁと思ってます」


「大丈夫なの?」


「大丈夫です。失業保険も出るみたいだし。一回もらってみたかったんですよね。こういう機会でもないと経験できませんから」


「呑気だなぁ、相変わらず」


「それが私ですからね」


「あれは?東北にボランティアとか行かないの?」


「考えたんですけどね~…」


うん。本当はかなり考えた。だけど、


「自分の面倒も見れない人が行っても、迷惑をかけるだけですから」


そうなんだ。昔から炊事洗濯、家事もできない私。唯一できるのはオヤジくらいで、オヤジギャグなら大得意なんだけど…それってあんまり人生の役には立たなかったりする。特にこういう非常事態はね。


「現地に入るだけが復興のお手伝いではありませんし…」


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