戦場のガールズライフ~派遣社員奮闘編~



山杉さんと挨拶をし、ハウスを後にしようとした時、ちょうど平田さんがやってきた。平田さんもジュースをごちそうしようと言ってくれたけど、ついさっき飲み終えたばかりの私。さすがにキツイ。普段はフリードリンクやっほい♪の私も、そこはやっぱり何時間もおしゃべりするのに最適ってだけで、さすがにワンコそばみたいに次から次へとは飲めないや。


私が今飲んだばかりだと言うと、平田さんは「じゃあ、持って帰ればいい」と私の返事も待たずに自販機に硬貨を投入してしまった。


こうして三島咲は紙パックのカフェオレを手に入れた。


事務館へ戻ると、パソコンの上に電話メモが置いてあった。なんと、第一製造部の原価担当の技術員さんからだった。折り返し電話がほしいとある。


手土産のカフェオレを机の上に置き、親子電話が使われていないことを確認した私はそこにある内線番号に電話をした。電話の相手、徳井さんは第一声から怒っている口調だった。


『ちょ~っと、どういうつもりだ?こんなメール一個で挨拶たぁ、随分と薄情なんじゃねぇの?俺と咲ちゃんの仲ってそんなもんだったわけ?』


「いやだなぁ、徳井さん。もちろん徳井さんの所にはご挨拶に伺おうと思ってましたよ。でも、午前中はずっと現場に入ってるでしょ?だから、午後の直間に行こうと思ってたんです」


責めるような口調ではあったけれど、これもご挨拶、ご愛嬌と私は笑った。
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