翼をください。
「ん?」 

俺の鞄から、昼間の本が出てきた。 

「何だ、俺の方に混入してたのか……」 

パラパラと黄ばんだページを捲る。

 最後、翼を持たない天使は、
ちゃんと天界に帰れるのかな――――

 「!?」

 これは…… 
こんなの……
愛結には見せられない……
だって、
 愛結の夢は…… 

ーーこんこん 

控え目なノックの音。
心臓が飛び上がる。 
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