翼をください。
「ただいまー…っと。
あぁ、愛結。
お前の下駄箱に手紙入ってたぞ。」

どうやら、私が待っているか
確認していたらしい景が、
私に一通の手紙を届けにきた。

「え?何?
ベタだなぁ。ラブレター?」

私がニヤっと笑ってそういうと、
景は焦った顔をして、
「ま、まさか。」
あり得ないあり得ないと、
手を左右に振った。

「何だよぅ。失礼だなぁ。
私はモテないとでもーー?」

と言って、頬を膨らますと、
景はモゴモゴと
「そうじゃないって…」
と言って、
そそくさと自分の部屋に帰って行った。
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