おじいさんの懐中時計
――帰り支度をしていたら、
「真琴君、この間約束したプラモ作り、何時に僕の所に来るの?」――高杉君だった。そうだ!!。約束したんだっけ。すっかり忘れていた。
「悪いけど―今日は止めておこう。何だか気分乗らないから――。」
「エー!?今日になって止めるのか―。君から、言ってたことじゃないか!!。」
「気分乗らないんだもの。仕方ないだろ。」
「本当に、気分屋なんだから―。わがままだよ。」
「わがままとは、何だよ!!。」
「わがままじゃないか!!。今日は都合が悪いって言ったのに、君が今日にしたいって言うから、それに合わせたんだぜ。今になって、気分乗らないから止めるなんて、わがままだね。」
「やりたくなくなったんだから、仕方ないだろ!!。」
「わかったよ。」
――高杉君は、ふくれ顔で帰って行った。
わがままか―。そうかもしれないけど、今日はやりたくないんだから、仕方ないだろう。僕はもう1度、心の中で言った。
――外に出ると、雨が上がって少し晴れ間が見えた。ほっとした。これ以上、憂鬱な気分には、なりたくなかった。
――朝のことを思い出すと、家に真っ直ぐ帰りたくない。
僕は寄り道をして、公園の側を通ることにした。
「真琴君、この間約束したプラモ作り、何時に僕の所に来るの?」――高杉君だった。そうだ!!。約束したんだっけ。すっかり忘れていた。
「悪いけど―今日は止めておこう。何だか気分乗らないから――。」
「エー!?今日になって止めるのか―。君から、言ってたことじゃないか!!。」
「気分乗らないんだもの。仕方ないだろ。」
「本当に、気分屋なんだから―。わがままだよ。」
「わがままとは、何だよ!!。」
「わがままじゃないか!!。今日は都合が悪いって言ったのに、君が今日にしたいって言うから、それに合わせたんだぜ。今になって、気分乗らないから止めるなんて、わがままだね。」
「やりたくなくなったんだから、仕方ないだろ!!。」
「わかったよ。」
――高杉君は、ふくれ顔で帰って行った。
わがままか―。そうかもしれないけど、今日はやりたくないんだから、仕方ないだろう。僕はもう1度、心の中で言った。
――外に出ると、雨が上がって少し晴れ間が見えた。ほっとした。これ以上、憂鬱な気分には、なりたくなかった。
――朝のことを思い出すと、家に真っ直ぐ帰りたくない。
僕は寄り道をして、公園の側を通ることにした。